2019/04/01

VR牧場体験(4)

 「わかりませんか?この牧場…いや学園は超富裕層に新しい若さ、人生を提供するために存在しているのですよ」

…何を言っているの?

「この企業が持つ技術。それは人と動物、そして人と人を入れ替えることができるのですよ」

「財がどれほどあろうと、老いた身体では何の意味もない。長く生きたいが、そこに老いがあるのであれば意味がない。財を投げ売って望むのならば」

「人は永遠に生きることができる」

人の身体を奪ってそんなことをしているなんて。
動物のVR体験、と銘打っておいて、実際やっていることは到底許されることではなかった。

「VR体験なんだ、って言われていれたからこんなことになってるなんて思いもしなかったでしょうし、反抗なんて考えることはないでしょう?」

もし投影メニューが表示されなければ早く陰謀に気がついてみんなで抵抗していた…かもしれない。
でも今私は知ってしまった。

「…知ってしまった、じゃあどうするのかしら」

…この人、私の考えていることがわかるの?
まさか。

「まさか。そのとおりよ。あなた達の思考はすべてモニタリングされ、私達のインターフェースに表示されているわ」

…じゃあ皆に伝えて、世間に公表して…。いや…ちがう。

「ふふふ。そうよね。他の動物にされたお友達にどうやって伝えるのかしら。そしてどうやって世間に伝えるの?私達は豚にされています、って?」

そう。私達はこの身体に押し込められた時点でできることが大幅に制限されているのだ。
檻から出ることも、この牧場から抜け出すことも、そしてそこから街へたどり着き…人々に私達が元人間であることを伝える。
途方もない数多くの無理難題が積み重なっている。

「…私としてもこの身体を返す気はないわ。私にはもう帰る身体はないの。私の身体に入ったのは豚の意識で、その数分後には安楽死。今は骨となってお墓のなか…よ」

それでも…私の身体を返して。

「そう、じゃあ頑張ってみると良いわ。ちなみに良いことを教えてあげましょうか」

…。

「あなた達にあてがわれた動物達には特徴があるの。年を老いていたりとか色々原因は違うけども…。共通しているのは」

-余命は1年。

 「あなた達はもう半年前に家畜と入れ替わった。個体差があるとはいえあとどれくらい生きられるかしら?ふふ、インターフェースを改めて見るともう反応がない個体も数体いるわね。お友達、残念だわ」

そんな。このままだとあと半年…で私は死ぬの?
時々身体が動かしにくいと感じることはあったけど、まさかそれが慣れていない身体とかそういう理由ではなく、この身体に限界が来ているのだとしたら。
 もう、余り時間がない。

 「さ、勝手に脱柵した豚さんには罰を受けてもらわないといけないわね」

いつの間にか背後には、見慣れたクラスメイト達が立っていた。
いや、間違いなく彼らも。

「じゃ、連れて帰ってあげて」

あっという間にクビに縄をまかれ小さな鉄格子の檻へ押し込められてしまう。
抵抗する暇もなく私はあっというまに残されていた自由を奪われてしまった。

「じゃあ、さようなら豚さん。今度は抜け出しちゃ駄目ですよ」

満面の笑顔で"私"はそういった。


4月のBooth作品

Boothで
 クロス・ロード
を公開しました。
入れ替わり、OD、 会社員←→小学生の入れ替わりとなっております。

サンプルはpixivにあげてあります。 pixiv

よろしくおねがいたします。 Booth

2019/03/16

2019/03/12

入れ替え授業

 >スケベな男子たちとそんなスケベなのが理解できず気に入らず五月蝿く言ってエロ本とかを取り上げてた委員長と友人が入れ替わって、男の体で身を以て悶々とする日々のなか、自分たちの体に「じゃーん下に着てたのは競泳水着でした」スカート捲り上げてからかわれる話
https://odaibako.net/detail/request/c5a04058b556442daaa35046fc67f948 


2019/03/07

あらゆる行動がライセンス化された国で、ライセンスがすべて奪われた学生のお話 (下)

暇だ。
暇すぎる。

あらゆるライセンスが制限されてしまい、解除されるまでまるで赤ん坊のような扱いを受ける羽目になってしまた私。
鍵付きのベビィベッドのような檻に閉じ込められたまま、時間がゆっくりゆっくりと過ぎていく。
 母親はリビングのソファに座ってお菓子を食べながらワイドショーを見ているが、私の位置からはテレビを見ることができない。
…テレビを見るのもライセンスがいるんだっけ。

2019/03/06

3月のBooth作品

Boothで
 徐々に女の子になっていったら、困ると思ったのに
を公開しました。
TSF物となっております。

サンプルはpixivにあげてあります。 pixiv

よろしくおねがいたします。 Booth

2019/02/28

あらゆる行動がライセンス化された国で、ライセンスがすべて奪われた学生のお話 (上)

この国ではすべてに置いてライセンスが必要だ。

運転は当然、あらゆる職業それぞれにライセンスが存在する。
もっと言えば、学校へ通うのも、勉強をするのも、買い物をするにもライセンスが必要だ。すべては許可制なのである。
許可を得て皆は進学し、就職していくのだ。

2019/02/24

魔法少女の身体がぬいぐるみになってしまって負けた話(3)

ガサゴソとなにかを探すような音で目が覚めました。

…いや、人形の私は眠る必要もないし、眠くもならないのですけど…。
四六時中意識を覚醒させておくと、気持ちがいろいろとすり減っていってしまうので、私は夜の誰もいない間は心の中で目をつむるようにすることで、自分の意志で眠りにつくようにしているのです。

(…誰か入ってきた?)

2019/02/21

魔法少女の身体がぬいぐるみになってしまって負けた話(2)

「ありがとうございましたー、またのご来店をお待ちしておりますー」

若い女性の店員の声を何十回、何百回…いやソレ以上でしょうか。。どれだけ聞いたかわかりません。
私がこの店に来てからすでに何日立ったのか…。
最初のうちは数えていた日付も繰り返される同じような日々の繰り返しで記憶が曖昧になってきてしまっています。
わかるのは店員やお客さんの服装から四季が一周したのだろう、という大雑把なことだけです。

2019/02/20

どっちがきよひこ?(1)

私は一人っ子だったはずだ。
だが、目の前に今もうひとりの自分が困惑顔で座っている。
その容姿は双子以上にそっくりで、仕草や口調もまるで私と変わらない。
クラスの皆も、教師も困惑顔だ。

2019/02/19

不思議な教室

俺達のクラスは平和だ。
争いや対立、派閥というものがない。
いじめというものもない見たことがない。
居心地がよく、イベントにはそれなりにまとまるが、同調圧力はなく参加しなくても無理に強制されるようなこともない。

2019/02/14

魔法少女の身体がぬいぐるみになってしまって負けた話

「浄化の光よ、悪い心を封印せよ!」

杖から発せられた虹色の光が、黒い瘴気を纏った敵を包み込む。
わたしのこの魔法は敵を疲れさせなければ効果を発揮することができないんですが、当たれば問答無用の強さを誇るんです。

2019/02/04

男の娘タグ

最近不思議なことが起きているような気がする。
気がするってのは確証がないというか、そもそも俺の勘違いじゃないかとかそんな感じで説明ができない。